お元気ですか? 苺です!
苺(いちご)と書いて苺(まい)と読みます。
「こうじょうせんきのうこうしんしょう」って読むんだょ
どこの病気なんだか、どんな病気なんだか?見当もつかないゎ~
甲状腺機能亢進症ってどんな病気?
まず「甲状腺機能亢進症」は病名ではありません。「甲状腺の機能が活発になっている」という症状名です。
何らかの理由で血液中の甲状腺ホルモンが過剰になった状態を甲状腺中毒症といいます。
甲状腺中毒症のうち甲状腺がホルモンを作りすぎている場合が、甲状腺機能亢進症です。
ややこしすぎるよ…
大丈夫!日本では甲状腺機能亢進症が現れる病気の約90%がバセドウ病だから、まずはバセドウ病を知っておいてね!
そもそも甲状腺ってどこにあるの?
病名と勘違いしがちですが、甲状腺(こうじょうせん)が部位の名前です。
いったいどこなんでしょう?
のどにある蝶々のような形をした部分です。右側を右葉、左側を左葉といいます。
「のど仏」のあたり?
そうノドには成人男性がよく目立つ「のど仏」という軟骨がありますよね?
16世紀のある外科医が、のど仏を「盾(たて)のような形をした軟骨」とたとえました。
そこからのど仏には「甲状軟骨」という名前がつきました。
さらに17世紀の解剖学者が、甲状軟骨のやや下におおいかぶさるようにある柔らかい臓器を見つけ「甲状腺」と名付けたのです。
甲状腺は縦2~3センチ・横4~5センチ・厚み1センチ・重さ10グラムくらいと非常に小さく、筋肉におおわれています。
普段は手でノドをさわっても甲状腺の位置は確認できませんが、少しでも腫(は)れたりかたくなったりすると手でふれてわかるようになります。
腫(は)れが大きくなると首が太くなったと感じたり、目で見てもはっきりわかるようになります。
健康診断などで内科医がかならずのどや首をさわりますよね?
あれは甲状腺がはれていないか触診してくれているのです。
亢進(こうしん)とは「高い度合にまで進む」こと
だから甲状腺機能亢進症は、甲状腺の機能がはげしく働きすぎて異常をおこす病気です。
甲状腺からは甲状腺ホルモンが分泌されていて、このホルモンは生きていくうえで欠かせないホルモンです。
このホルモンがなくなると、1~2か月くらいしか生きられません。
ですが過剰に分泌しても病気になってしまうのですから、ちょっとやっかいですね。
甲状腺の機能が過剰になるのが甲状腺機能亢進症(バセドウ病)といい、甲状腺ホルモンの分泌が少なくなってしまうのが甲状腺機能低下症(橋本病)といいます。
バセドウ病も橋本病も聞いたことあるゎ~!
ちょっと寄り道~ 💡
ホルモンってすごく大事!
現在およそ100種類のホルモンが確認されていて、今でも新しいホルモンが発見されています。
ホルモンは甲状腺・副腎・膵臓(すいぞう)・卵巣・精巣など全身の様々な臓器でつくられ、それぞれ違う働きをしています。
体内では必要な時に必要な場所で必要な量のホルモンがつくられ、血液によって必要な場所に運ばれています。
それぞれのホルモンの分泌量はわずかですが、臓器が病気になって分泌量が減ったり増えたりすると、身体には大きな影響が出ます。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状
- 疲れやすい
- 食べてもやせる
- 動悸・息切れ・頻脈(ひんみゃく)
- 眠れない・イライラ
- 汗をかきやすい・暑がりになる
- 下痢しやすい
- 手の指がふるえる
- 毛が抜けやすい
こんなにたくさんの症状があるの?しかもどれも疲れや年のせいと勘違いしそうなものばかりじゃん
そう、いろんな症状がありますが、人によってあらわれ方はさまざまですので甲状腺の異常だと気づきにくいことがあります。
「疲れやすい」「汗をかきやすい」だけで受診する人は少ないですものね。
でも原因はひとつ。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、全身すべての細胞でたくさんの燃料を消費してあらゆる機能がスピードアップするからなんです。
いつもマラソンをしているようなものなので、疲れやすく体重も落ちます。
心臓の動きが速くなるので、動悸・息切れ・頻脈(ひんみゃく:脈が速くなる)を感じます。
代謝が高まるので神経が高ぶり、眠れなかったりイライラするようになります。
カロリーを消費する速度が速くなるため体温が上がり、暑がりになって水をたくさん飲み汗も大量にかきます。
腸の動きも早くなるため、排便の回数が増えたり下痢しやすくなります。
わたし年に2回、会社で健康診断受けてるんだけど~血液検査とかでわからないのかなぁ~?
血液検査で甲状腺ホルモンの濃度を調べたり、甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測ることはできます。
でも一般企業の健康診断で甲状腺に関する数値を出してくれる所は、あまりありません
だから上記のような体調不良が続く場合は、ガマンせずに受診しましょう。いろんな科がある総合病院に行くと、一ヵ所ですみます。適切な科を見つけて案内してくれますよ。
ココからは私と同じ職場の人の話です。
スーパーのレジをしているS子さんは、53歳です。
あまり目立つキャラではありませんでしたが、ときおり急にお客様に暴言を吐くようになりました。
急にカ~ッとなって、イライラがおさえられなくなるそうです。
ちょうど半年に1度の健康診断の時期とかさなり、甲状腺の腫れ(はれ)を見つけてもらうこととなりました。
病名は甲状腺機能亢進症(バセドウ病)でした。
あれから1年以上たちますが、いまだに薬を飲んでいるとのことです。
短期間でスッキリなおることは少ないので、ならないように気をつけるのが大事ですね。
S子さんの場合は更年期とかさなり、ストレスを感じやすい性格もあいまって発症してしまったようです。
まだわからない部分も多い病気ですが、ストレスの多い毎日はよくないことがわかっています。
甲状腺機能亢進症といわれたら
甲状腺機能亢進症は甲状腺の機能が過剰となり、心臓をはじめ身体に負担がかかっている状態です。
はげしい運動はひかえて、安静にすることが第一となります。
症状がおちつくまでは、散歩やウォーキングなど軽い運動でもひかえるようにしましょう。
また動悸がはげしくなりやすいので、長時間の入浴にも注意しましょう。
バセドウ病は「目が飛び出たようになる」といいますが、すべての人がなるわけではなく一部の人だけです。
甲状腺機能低下症(橋本病)
え~と 甲状腺の機能が低下する症状?書いてあるまんまじゃん
そうなんだけど正解だよ!
甲状腺の病気にはいくつかありますが、バセドウ病と橋本病は2大代表です。