激しいめまいと吐き気
2020.11.10 AM6:00ごろ、年に1回起こるか起こらないかのめまいにおそわれました。
『まぁ寝転んでればなおるか〜』なんて思ってたところ、下痢の痛みがきたのです。
私はめまいでフラフラしながら、トイレに行かなければなりませんでした。
用を足して、下痢の痛みがうすらいだのと同時に、今度は感じたことのないシンドさがおそってきました。
私はトイレに座ったまま、携帯で2階の息子を呼び出しました。
『なんかおかしいねんけど…』
するとどんどん気分が悪くなってきて、息も上がってきました。
どこが痛いとかはよくわかりませんでしたが、とにかく吐き気がひどくてシンドかった…
息子が救急車を呼んでくれて、10分後に到着、30分後には病院に着いていたと思います。
脳や心臓のCT・MRIなど、緊急を要するものはほとんど調べてくれたようです。
が!(ー_ー)!!
特に悪いところはなく、病名なしで「めまい症」という症状名しかつきませんでした。
半日ほど吐き気は続きましたが、一晩の入院だけで退院することができました。
『あんなにシンドかったのに、何やったんやろう?』
そんなことがあって2ヶ月以上は普通に仕事もしていました。
近所の産科医での診断
救急搬送された時に、『卵巣の腫れがちょっと気になる』という診断がありました。
娘が心配してくれて『必ず検査してもらって!』と言ってくれたので、近くの産科医で見てもらいました。
『卵巣が6センチほどに腫れている。ここ1年以内に出来たものじゃない。ねじれると激痛がきて、緊急手術になるから、早めに取っておいた方がいい』と言う診断でした。
総合病院を紹介してもらい、手術は1ヶ月以上先しか空いていませんでした。
手術日は2021.1.26。救急搬送された日から2ヶ月以上先で、普通に仕事もしていました。
とくに自覚症状もありませんでした。
卵巣異常の発見から手術まで
市民病院での診察・手術
手術は家から比較的近くて、婦人科の症例の多い市民病院を紹介してくださいました。
ひとくちに「産婦人科」といっても、出産の「産科」と女性特有の疾患をあつかう「婦人科」に分かれます。
わが家に一番近い市民病院は「産科」がすぐれているというので、車で30分ほどの「婦人科」がお得意の市民病院を紹介していただきました。
担当医は30代の男前の先生でした。
命にかかわる病気ではありませんが、病院通いというものはどう頑張っても気分のアガルものではありません。
「もし悪性だったら…」という思いもありましたし。
私の場合、若いハンサムな先生に少しワクワクすることで、平静が保てたような気がします。
手術直前の説明では、『腫れているのは左の卵巣7センチほど。これと左右の卵管を腹腔鏡手術で摘出します』とのことでした。
卵管は今の私にはもう必要ないものなので、摘出して卵管ガンの心配もなくしておきましょうという診断です。
子どもが欲しい人は、卵管と卵巣片方は残しておかねばなりませんよ。
手術は切開はありません。
おへそに1センチほどの穴と、下腹部3か所に5mmほどの穴を開けてカメラ・鉗子(かんし)等を挿入しておこないます。
卵巣の腫れ(はれ)は、いわゆる腫瘍ですが、良性か悪性かは細胞をとって病理検査に出さないとわかりません。
前もって細胞を取ることはできませんので、手術後検査に回すとのことです。
「統計的にも9割が良性で、エコーで見た感じでも良性っぽい」とのことでした。
キズの痛みは少なそうだけど、全身麻酔なので目覚めた時の「吐き気」が心配でした
手術前日
前日入院をし、18時にふつうの夕食➡19時以降は絶食・絶飲でした。
19時までに経口補水液500㏄とオレンジジュース180㏄を飲むようにいわれました。
カロリー不足にならないためのものでしょう。
私はたいして苦になりませんでしたが、経口補水液は塩分がけっこう強くて500㏄飲むのをキツイと感じる人が多いようです。
手術当日
ここの病院では一番の手術が9:30から。
私は一番手の人が終わり次第なので、はっきりした時間は告げられていませんでした。
朝から点滴をし、手術着に着替えました。下はパンツとパジャマズボンのままでOKでした。
手術着が肩から袖口までマジックテープで開くようになっていて、とても機能的でした。
ツラい症状があるわけでもありませんから、本を読んだりストレッチをして待っていました。
12:30ごろ看護師さんが案内にきてくれました。
エコノミークラス症候群防止のための加圧ソックスをはき、歩いて手術室までむかいます。
加圧ソックス :手術後は24時間近く寝たきりになるので、血流が悪くなり血栓ができやすくなる。いわゆるエコノミークラス症候群を防ぐため、歩けるようになるまで加圧ソックスをはく。前回救急搬送されて一晩入院のときも、加圧ソックスをはくという流れでした。
手術室に向かう時にキーパーソンである娘に会うことができました。
キーパーソン:この病院特有の言いかたかもしれない。手術前に本人と一緒に内容説明を聞く。手術中、病院に待機して何かあった時には判断・対応する。その他入院・手術に関して、本人に聞けない場合に連絡がいく。といった役割の人です。家族が好ましいが、いない場合は友人などでもイイそうです。
私の場合は、息子2人が遠方に住んでいるので、近郊在住の娘にキーパーソンになってもらいました
2番手の手術は、開始時間がはっきりしないため、時間ロスが多く出る可能性があります。
かといってキーパーソンが来ないと手術が始められないので、娘もかなり早めに来て長い時間待ってくれたようです。
手を振って笑顔で「行ってきます!」が言えました。
手術室へ!
3Fの病室から、エレベーターで6Fの手術室へ。
よくドラマで出てくる両開きの自動ドアの向こうの世界、初めて入りました。
ここの病院は大きなドアのすぐ向こうが手術室ではありませんでした。(^▽^;)
手術フロアは広く、廊下を歩きいくつかの手術室のドアの前を通り過ぎ、けっこう奥の自動ドアを入ってもまだそこは手術室の待合でした。
いったん待合の椅子にすわらされて、毛髪が落ちないようにする帽子をかぶせてもらいました。
自分のフルネームとどんな手術をするのか?答えなければなりませんでした。確認ですね。
最後の自動ドアが開くと、やっと手術室が。5~6人のスタッフがいたと思います。
もちろん担当の若いハンサム医も。「よろしくお願いします!」
手術台そのものはとても小さいものでした。寝返りうつとコロッと落ちてしまうくらい…それだけ接近して手術してくださるんだな~って思いました。
そのまま寝ころぶと、すぐに血圧計やら心電図やら(だと思う(^^ゞ)を手際よくつけて下さいました。
その間1分ほど。
ここでももう一度、フルネームと手術箇所を言いました。たしかにヒト間違いは超こわいですよね~
ヤバい!どきどきしてきた~
2021.1.26.12:45 手術開始
麻酔の先生が私の頭頂部側に立って、優しく顔をのぞきこんで「酸素マスクつけてやっていきますね~」と言ってくださいました。
なんとこれまた若くてハンサムボーイでした。すごく安心できました。
そして意識がなくなりました。
娘が出てきた夢をみていましたが、どうしても内容を思い出せません。
夢の途中で名前を呼ばれて、意識がもどりました。
あれ~いま移動中かな~?なんか動いてるよな~
「無事終わりましたよ~娘さんですよ~」と言われ目を開けようとしますが、ボ~っとしすぎて薄目を開けて少しうなずくのが精一杯でした。
娘が「顔かなりむくんでますねー」と看護師さんに言っているのが聞こえました。
マジか~💦(T_T)
そのまま病室にセットINしましたので、ベッドに移動してから目覚めさせてくれたようです。
術後すぐのベッド移動は、患者にとってツライものですよね。
ちょっとした負担やストレスにも対応してくれていて、あとから考えれば「よかったな~」という事がいくつもありました。
1時間半ほどで終わったそうです。娘は14:30ごろには病院を出て、息子2人に無事手術が終わったことを伝えてくれました。
私はというと術後は大した吐き気もなく、傷も小さかったので痛みにうなされる事もありませんでした。
吐き気といえば、同室で9:30から手術だった2人はひどかったようで、何回かもどしていました。
朝からの手術であろうと午後からの手術であろうと絶食開始時間は同じだったので、空腹時間が長かった私の方が吐き気を回避できたのかもしれません。
あるいは、その日の体調や体質によるのかもしれませんね。
ですが…術後6時間ほど酸素マスクをつけたままだったのですが、これが苦しくてつらかったです。
術中は体内の酸素をたくさん使って不足するので、術後しばらくの酸素マスク装着は必須なんだそうです。『出来るだけ深呼吸しててくださいねー』とも言われました。
手術後~退院決定
携帯を手にするまで
いま何時?
左手に点滴がついていて、心電図の装置もつながっている。両足には血栓予防のマッサージパットがふくらはぎから足裏まで巻き付けられており、尿管も入っていました。
「酸素マスクはずせませんか?苦しいんですけど…」って言ったのが何時かさだかではないのですが
ごめんなさいね~先生から8時間まではつけとくように言われてるんです。
もうちょっとガマンしてくださいね~
とのこと。「8時って20時の事やんな~あーいま何時なんやろ~?」
私は手術前に、携帯と財布を床頭台の引き出しに入れました。
床頭台(しょうとうだい):ベッドの横にあって、引き出しや物入れのある台。テレビを置いていることも多い。
術後すぐに携帯を手にしたかったからですが、いろんな機材を置くのに床頭台を手の届かないところに移動されてしまっていました。(^▽^;)
起き上がれなくもなかったのですが、一応起き上がり禁止だったようで必要以上に動くと機材がピーピー鳴って、看護師さんがとんでくるんです。
私がイヤがっていたこともあって、酸素マスクは30分ほど早めにはずしてくれたようです。その時はまだ寝たり目覚めたりといったうつつ状態でした。
寝返りはうつけど、動きづらかった…
次にハッキリ目覚めたのは、消灯されていたので22:00以降だったのでしょうが、何時なのかさっぱりわかりませんでした。( ̄▽ ̄;)
そこから7:00の点灯までが長かった…手術2時間後から寝返り解禁なので、できるだけコロコロしていたんですが、とにかくいろんな装着物がうっとうしかった💦
健康ってホント大事だなぁ~と身にしみました。
7:00に来た看護師さんに携帯をとってもらって、やっと子ども3人にメールができました。
身体の装着物がはずれるまで
朝から心電図がはずれ、下肢の血栓防止パットがはずれ、あとは尿管と点滴です。
尿管が一番イヤだったので、「尿管はまだですか?うっとうしいんですけど~」というと
ちょっと早いですが、はずしましょうか。
ホントは9時から担当の看護師がはずすんですが
このパターンの言いかた何回かあったんですが、ちょっとイラッとしました。
ここの病院は看護師が9:00~18:00?までの昼間担当と、それ以降~9:00までの夜間担当に分かれていました。
私のちょこちょこ出す希望が基準より早めに言ってしまっていたようなのですが、「私じゃなく夜間担当が…」とか「9:00に来る看護師がやります」とう言いかたは
私の仕事じゃないので、あとの看護師がやります。
というようにしか聞こえませんでした。
一日でも早く退院したいと願う私にとって、とても残念な一面でした。無理難題でなければ、笑顔でスッと対応してほしかったです。
8:00の朝食前には尿管はぬいてもらえました。
「あとは点滴だけかぁ~」
点滴は朝食・昼食が全部食べられたらはずれます。
子どもか~(T_T)
手術翌日は3食とも5分粥(がゆ)食でした。
お粥は嫌いではありませんが、5分粥ってほぼトロッしたお湯です。
おかずも身体にやさしくて、味付けも超うすい…朝食は味のない5分粥を完食するのに四苦八苦しました。
昼食には弁当用の練り梅パックがついていたので、助かりました。
13時すぎに、左手の点滴もはずれました。
マジでこんな感じでした。(^^♪
散歩するぞ~!
さっそく病室から抜け出して、同じ階のデイルーム(歓談室)まで散歩です。50mほどでしょうか?
気分はルンルンでしたが、さっそうと歩くという感じではなかったです。
痛みはほとんどありませんでしたが、違和感だらけで「やっぱ術後だゎ~」という感じでした。
何度も散歩するよう心がけました。1階の売店までコーヒーを買いに行ったり、エレベーターを使わずに階段利用にしたり…日に日に戻っていくのがわかりました。
コンビニの挽きたてのホットコーヒー、本当においしかった!
卵巣ねじれてました
娘からのメールで、術後の先生からの話の内容を聞くことができました。
タッパーのような容器に、切除した左卵巣と卵管2本を入れて見せてくださったそうです。ちゃんと切除しましたよっていう意味もあったんでしょうか?「私も見たかった~!」こんな機会まずないですよね?
そして…なんと!卵巣がねじれていたそうです。「11月の痛みは卵巣のねじれによるものだったかもしれない」とのことでした。
「2ヶ月以上ねじれたままで、過ごせるんや〜」 「激痛じゃなくて、激吐き気やったんやけど〜」って感じです。
先生が病室に来てくださった時に聞くと「完全にねじれてたわけではなかったので、血流は止まってなかったけど、なんとなくお腹が重たい感じじゃなかった?」
あ~!いつもの腰痛やと思ってたけど、左の腰に鈍痛がずっとあったわ~
一般論では片付かないことって、いっぱいあるんですね~
術後3日目(私の場合は1/29)、先生の診察がありました。
なんと!その時にお腹のキズ4か所の絆創膏がすべてはがされました。
下腹3か所のキズは完全にふさがってました。なんで?
おへそのキズは少し痛みも残っているので「アカンやろ~」と思いましたが、私の場合?おへそがへっこんでいるので、キズに全然届かなくて絆創膏がなくてもなんの不快感もありませんでした。
おへそに穴をあけて手術することを考え付いた人、天才ですね!
キズもきれいですね。退院OKですよ。
かくして私の卵巣摘出手術&入院生活は、終わりを告げました。
帰りは娘が車で迎えに来てくれましたが、私が運転しました。
そして2月1日からは予定通り、仕事にも復帰できました。
悪いものを取ってもらったので、身体が軽くて本当に動きやすくなった気がします。
お世話になった病院のスタッフ、助けてくれた職場の人たち、心配かけた家族…すべての人に心から感謝いたします。
退院後の診察
2021.2.19 退院後はじめての診察日でした。
内診してくださり、キズの状態も確認してくださいました。
とった卵巣と卵管の写真を見せてくださいました。「お~見たかったやつ、これか~」ホルモンそのものでした。
検査の結果、良性でした。これから2年に1回ほどのガン検診、受けてくださいね。
私の場合、手術後に自律神経が安定したのか、不安感や動悸がなくなって、すごく体調がよくなりました。
そのあたりの因果関係を質問したのですが、「腫瘍が悪さをしてたのかもしれませんが、データがないのでわかりません。」との返事。
分からないことをスッと「わからない」と言ってくださった先生の印象がますますよくなりました。
「あ~これで先生ともさよならか~」ちょっと寂しい気持ちで、病院をあとにしました。