お元気ですか? 苺です!
苺(いちご)と書いて、苺(まい)と読みます。
手指の異変!あなたはどうする?
あなたは次のような症状が出たとき、どうしますか?
- 手指が痛い
- 手指が変形してきた
- 手指のこわばり
- 手がしびれる
でも「手のしびれ」って脳梗塞の時にも起こるって言われてるから…なんか心配になるよね~
じゃあ病院は何科に行く?
あれ?何科だろう?整形外科かな?
そして一大決心して整形外科に行くと…
「年のせい」ですよ。あまり無理しないでくださいね
手の「使いすぎ」ですね。このまま酷使すると「治りません」よ
と言われることがほとんどでしょう。
同じ職場で働いている仲間はだいたい同じような年なのに、なんで私だけ手が痛いのさ!使いすぎた記憶もないし、右利きなのに左手が痛いんだよ!おかしくない?
医師の診断に納得いかないのもムリはないでしょう。治してほしくて行った病院なのに、何も解決していません。
ここでもうひとつだけ調べてから、病院に行ってください
それは…手外科です!手外科には手の専門医がいます!
手外科(てげか)?って~そんなのどこにでもあるの?
ですよね。東京に数か所だけあっても気軽に行けませんょね。
でも!けっこうあるんです!
ここでちょっと寄り道
病院には整形外科と形成外科がありますよね?
まずはこの二つの科の違いわかりますか?
整形外科:骨・関節・筋肉・神経の不具合を診てくれる。背骨・骨盤・四肢を主な治療対象にしています。
形成外科:病気・ケガなどによって身体表面が見た目よくない状態になったのを治療する。頭・顔面を含めた身体全体が治療対象です。
手外科専門医とは、整形外科又は形成外科の専門医資格を取得した後に、指定医療機関で手外科に関する特別な研修を受け、日本手外科学会専門医試験に合格したスペシャリストです。
手外科という科がなくても、整形外科・形成外科に手外科専門医が所属している場合があります。
最初の4つの症状の時は、手外科専門医のいる整形外科に行くのが大正解ですね
医師ですから異動はありますが、全都道府県に数名~数十名いるようです
手外科専門医一覧ですぐ調べられますよ
どんな手の異変がおこるのか?
手首から先って、ケガさえしなければ不調や異変を感じる事なんてないですよね?
でも手指は使えなくなると、本当に不便です。
最近の研究では、65歳以上の日本人の90%以上に何らかの手指の変形があると報告されています。
そんなにいるの?だったら国民病じゃん!
ですが全員困っているわけではありません。
痛くない人もいれば、自分で病気だと気づいていない人もいます。
しかし半分くらいの人たちは何らかの異常を感じていて、さらに3分の1以上の人たちは治療を必要とする深刻な状態にあるとされています。
普通にしていても指の関節が折れ曲がってるおばあちゃん、時々見かけるけど…ずっと痛いのかな?
手指の異常でよくかかるのは次の6つです
- ばね指➡腱鞘炎(けんしょうえん)
- ドケルバン病➡腱鞘炎
- 手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
- ヘバーデン結節➡指の変形
- ブシャール結節➡指の変形
- 母指CM関節症➡指の変形
こんなにあるの…?
「ばね指」が聞いたことあるくらいで、あとは全然わかんない
大きく分けて腱鞘炎(けんしょうえん)と神経異常と指の変形。それぞれどんな症状か?簡単に説明するね
- ばね指:手がこわばる。第2関節を曲げて伸ばす時にバネのようにピョンっと戻る。
- ドケルバン病:親指が伸ばせない。親指の付け根から手首まで痛い。
- 手根管症候群:小指以外の4指のしびれと痛み。箸が持ちづらくなる。
- ヘバーデン結節:指の第1関節がはれてきて痛い。
- ブシャール結節:指の第2関節がはれて痛い。手をしっかり握れない。
- 母指CM関節症:親指の付け根が痛い。ペットボトルが開けられなくなる。
発症年齢に共通点があります。40代後半つまり更年期以降の女性と産後授乳期の女性です。
女性ばっかり…
男性にもないわけじゃないけど、圧倒的に女性が多い
産後授乳期と更年期以降って~何か共通点ある?
あるんです!女性ホルモン量です!
どちらも女性ホルモン(とくにエストロゲン)がガクンと減る時期。手の不調にはエストロゲン(卵胞ホルモン)が大きく関わっているんです。
女性ホルモンのはたらき
女性ホルモンのはたらきって何でしょう?
それくらいわかるよ~女性らしくすることでしょ
確かに。間違いではありません。でももうちょっと詳しく考えてみましょう。
女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。
ホルモンは男性ホルモンでも女性ホルモンでも、元気のモトとなるものです。
女性にとってはとくにエストロゲンの存在が、大きな役割を果たします。
肌を若々しく保つ・髪の毛が増える・骨を強くする・体重をコントロールする・肩こり腰痛を治すなど…エストロゲンは、ありとあらゆることに働いています。
エッ!骨や神経にも関係あるの?
もちろん!妊娠出産に関わる卵巣・乳腺などの働きも、エストロゲンが活躍していますよ
ココでちょっと復習
1か月の女性ホルモンの周期を見てみましょう。
1か月周期の前半では、エストロゲンが優位:子宮内膜に変化はありません。
➡排卵が起きる:身体は赤ちゃんができたかもしれないと考えます
➡赤ちゃんを守るために子宮内膜がはれる:エストロゲンが減少して、プロゲステロンが優位
➡妊娠していなければ子宮内膜のはれは不要なので、内膜をはがして捨てて(月経)、最初に戻る
妊娠していれば、この状態が10か月近く続き、授乳している間はエストロゲンが低い状態は変わりません
更年期以降と同じ状態だ!
毎日・毎月、エストロゲンの値は上がったり下がったりを繰り返しながら、25歳頃をピークとしてだんだんと減り始め、閉経後の50代後半から60代で初潮前の状態にもどります。
じゃあ~25歳頃のピーク時から60代まで、エストロゲンが減り続けてツライ状態がず~~っと続くんだね…
そうじゃありません。
妊娠して授乳が終わるまでストンと減って、閉経前後にドスンと減るイメージです。
だから産後授乳期と更年期以降は女性の弱り目なのです。
産後授乳期と更年期以降はムリは禁物という意識を持ちましょう
子育て期は不摂生をしていなければ、元気いっぱいで過ごせるはずです!
自信を持ってがんばりましょう!
またまた寄り道
更年期は45~55歳ってよく聞くんだけど~?
日本人の閉経平均年齢は50~52歳ごろです。
閉経前後5年間ずつを更年期と便宜的に決めているだけですので、ある日を境に急に更年期になったり、更年期を卒業するわけではありません。
体質が大きく変化する時期を更年期と定めているだけです。
人によってエストロゲンの変化の仕方はまったく違い、閉経の時期も違います。
ですから更年期の時期も症状も違うんです。
ただし65歳すぎて閉経していない人はほぼいません。更年期は誰もが通る道なんです。
手指の不調は、女性ホルモンの量に関係があるという話にもどりましょう。
エストロゲン量がストンと減る妊娠授乳期と、ドスンと減る更年期以降に手指の不調が起こりやすくなります。
早めに更年期がはじまる40歳すぎから、エストロゲン量が初潮前と同じくらいまで減って落ち着くのが65歳頃。
早い人なら40代から手指の不調がある可能性も考えてください
ひょっとして「手指の不調」って更年期の症状なの?
大正解‼でも残念なことに「手指の不調」に目を向ける婦人科の医師は、まだ少ないようです。
では最初に掲げた手指の不快な症状の代表6種を一つ一つ見ていきましょう。
手の異変!代表6種
- ばね指
- ドケルバン病
- 手根管症候群
- ヘバーデン結節
- ブシャール結節
- 母指CM関節症
ばね指
おもしろい名前~
笑ってる場合じゃないよ
これは腱鞘炎(けんしょうえん)の一種だけど、たとえば中指を手のひら側に曲げて伸ばすとき、関節にバネが入ったみたいにピョンってはねてもどるんだ
この状況、普通じゃないのですぐにわかります。
指を動かす腱(けん)は、腱鞘(けんしょう)というトンネルの中を通って動いていますが、腱や腱鞘がはれてくると指がこわばり動かしにくくなります。
はじめは大した痛みもありませんが、このまま放置すると指の付け根が痛くなったりはれたりしてきて変形し、そのまま伸びなくなったり曲がらなくなったりします。
放置は禁物…だね
ドケルバン病
親指の腱鞘炎って感じかな?
親指の付け根から手首にかけて痛くなります。
さらに進むと手首がはれてきたり、親指が伸ばせなくなったりします。
産後授乳期に症状をうったえる人が、比較的多いです。
赤ちゃんをよく抱っこするから?
出産前に子供を抱き上げるなんて、あまりしないもんね
もちろん更年期以降にもありますよ。
手や腕が痛くなるまでお孫さんを抱っこしないよう注意してくださいね。
手根管(しゅこんかん)症候群
指のしびれや痛みで目が覚める。小指以外の指が全部しびれる…といった症状です。
手のひら側の手首に、親指から薬指までの感覚をになう正中神経が通っています。
手首の手根管という場所で正中神経が圧迫を受けて、神経麻痺をおこしている可能性があります。
ひどくなると常にしびれと痛みがあり、親指の動きが悪くなって字を書いたり・箸を使うのがむずかしくなります。
お箸が使えなくなるのは困る~~‼
ヘバーデン結節
変形性関節症の一種で、指の第一関節がはれてコブのようになっていきます。
更年期過ぎの女性に多いんだけど、手の指が第一関節から不自然に折れ曲がっているのを見たことないかな?
見た目は親指以外(人差し指・中指・薬指・小指)の第一関節がふくらんだように腫(は)れて、手のひら側に折れ曲がって変形した状態になります。
でも見た目が気になるのは、爪がある側です。プクッとはれたり、曲がりかけたりしていませんか?
この時はまだ痛みやしびれがないことが多いんです
でも放置していると指は曲がってしまいます。曲がってしまうと日常生活にも大きな支障が出ます。
曲がり始めに痛みがひどくなりますので、ガマンや先送りせずに受診しましょう。
指が曲がってしまうと、見た目が悪いからと言って人前に手を出さないようになってしまいます。
そんな後ろ向きな人生ヤダ~💦
ブシャール結節
これも変形性関節症の一種ですが、指の第二関節がはれて痛みます。
第二関節がはれてくると、しっかり手が握れなくなります。
ヘバーデン結節よりも不便を感じることが多く、ことは深刻になります。
エストロゲンの減少・軟骨の変性・腱鞘炎の放置などが原因と考えられますので、年齢を重ねるごとに注意が必要です。
母指CM関節症
親指の付け根が痛み、ビンやペットボトルのふたが開けられなくなります。
親指の付け根の関節軟骨がすり減り、骨同士の摩擦が起こることが根本的な原因です。
そもそもなんで関節軟骨がすり減るの?
親指を酷使する作業が多かったり、加齢などが考えられるけど、まだハッキリわからない部分もあります
進行すると動かしていなくても痛むようになり、親指の付け根のCM関節という部分が亜脱臼をおこして親指が外側に開きにくくなります。
亜脱臼⁉ヤバ~指の使いすぎには気をつけよう~
男だって痛い!
男性は手指の病気にならないのかというと、そうではありません。
発症の男女比率はたいして変わらないのです。
男性は痛みが少ないので、患者さんの9割が女性ということになっているようです。
男性の体内にある女性ホルモンは、男性ホルモンから作られます。
男性ホルモンが減少する60歳あたりから、男性の手指の不調も増えてきます。
ですがそもそも男性は女性ホルモン量の変動が少ないので、症状がひどくなることも少ないようです。
もし良い手外科専門医が見つからなかったら
エクオールという成分が注目され始めています
手指の不調はエストロゲンの減少が原因だと話しました。
ですから治療法は更年期症状の治療法と同じです。
一番有効なのは減少したエストロゲンなどの女性ホルモンを補充するホルモン補充療法です。
以前からある治療法ですが、ずっとエストロゲンを補充し続けることができません。
なぜならエストロゲンは乳がん・卵巣がんを引き起こしてしまう、負の作用もあるからです。
ですがエクオールという成分なら、この心配がありません。
なぜ負の作用の心配がないのか?
知りたい人はコチラ
エストロゲンの効果は、エストロゲンだけでは発揮できません。
血液中のエストロゲンは、身体内のあちこちにあるエストロゲン受容体と結合することで初めて効果を発揮できるのです。
エストロゲン受容体はαとβの2種類あり、身体じゅうに存在しますがエストロゲン受容体αとエストロゲン受容体βのいる場所は決まっています。
- 受容体α:乳腺・子宮・卵巣・副腎・腎臓など
- 受容体β:脳・甲状腺・肺・肝臓・膀胱・血管壁・骨・滑膜(かつまく:主に関節部分)など
エストロゲンは当然受容体α・βの両方と結合して働きますが、エクオールは主に受容体βとしか結合しません。
ですからホルモン補充療法よりも乳がん・卵巣がんのリスクがぐんと低いというわけです。
ですがあくまでも良い手外科専門医が見つからなかった時の最終決断としてください!
イイ医師とめぐり会うって、大切なことなんだね